制作年:2018年8月
材料:陶器、金属
焼き方:酸化
コンセプト:ダルン
幸せは外だけではなく、中だけでもなく、外と中の両方にある。
ダルンはペルシャ語で内側という意味です。
今回の作品は自身の内面を探求するというテーマです。
人間は自分の内面を掘り下げて熟考する時間が必要です。
また、自分の内面だけではなく外側に目を向けることも必要です。
私たちは、何かを考えるときに、体を内側に曲げて丸いポーズを取ります。
今回の作品の丸い形は、熟考しているときの姿を表しています。
針金を中心(内側)に向かって渦を巻くように作品に刺しています。
作品を正面から見ると、陶器の本体の丸い形と針金を合わせて、人間の瞳の様に見えます。この瞳は、自身の内側に目を向けなければ見ることが出来ません。自分の内面を見つめることで自分の内面と外界とのバランスをとることが出来ます。
内側と外側を同時に見ることで、自分が大きな世界のたった一つの小さな存在でしかないことを知ることが出来ます。
それが分かると、実は自分が内側と外側だと思っていたことは別のことではなく、ひとつながりの事だったということに気付くのです。
自分の内面に目を向けるほど、その世界は広がっていきます。その為、大中小の3サイズで作品を作りました。
また、コンセプトの為だけではなく、鑑賞されるときの美しさも考えて作っています。
人間は複数の大きさの違う、揃いのものを見ると美しく感じます。
3つの作品はサイズの違いにお互い影響されて、より美しく見えます。
また、それぞれの針金の長さに変化を加えることにより、コンセプトを強調する意味と、見た目の美しさを生み出しています。